「頭蓋骨の形が変わるんです」
というと、多くの方はびっくりされます。
頭蓋骨はオートバイのヘルメットのように一枚の骨でできているのではなく、いくつかの骨が縫合というつなぎめでつながっています。
頭蓋骨にはいろいろな筋肉が頭を支えるためにつながっていて、それらの筋肉がアンバランスを起こしてひっぱると、頭蓋骨の縫合がひずんで形がかわるのです。また、仙骨から背骨を通って頭蓋骨の中でつながっている、脳と脊髄を保護している膜の緊張も頭蓋骨をゆがめます。
精神的に悩んでいる方は頭が大きく膨らんだり、逆に小さくしまったりしていて、それが「頭がしめつけられている」感覚や、頭の違和感、頭痛や頭が重い感じを生じさせています。
脳に異常があるのではないか?とCTやMRIをとってみても、異常が見つからない場合が多く、原因がわからないと医者では言われてしまいます。
しかし、患者さんの頭蓋骨を触診してみれば一目瞭然です。
これでは頭に違和感を感じて当然です、という状態になっています。
私は触診で頭蓋骨の形の変化を感じられますが、患者さんは症状は変化して楽になることで変化をお感じになります。
また、顔の形が変わった、メガネのフレームが合わなくなった、化粧するとき眉の位置が変わった、ヘルメットや帽子をかぶったときにちがう、など皆さん色んな変化をお感じになります。
そうして、頭蓋骨の形は変わるものなのですが、それを画像ではっきりと確認できた患者さんがいらっしゃいます。
70代の方が、20年以上頭が締め付けられて苦しいと、あちこちの病院を訪ね歩いていましたが、どこにいっても異常がないとのことでした。
姪御さんが私のHPをご覧になってご紹介されました。
その方は頭が締め付けられ、頭蓋骨がかなり小さくなっていました。
遠方からの通院はさぞ大変だったと思いますが、根気よく通っていただき、頭蓋骨が大分大きくなっていきました。
見た目にも、目のあたりがぱっちりとして、おだやかは表情になっていかれました。ご本人はまだ頭が締め付けられると訴えられていましたが、ご近所の方やご家族が、変化にきづいて随分変わってきたね、とおっしゃっていました。
大学病院に久しぶりに行き、6年前のCT画像と比較してみたところ、担当の先生が開口一番、
「あたまが大きくなっている!」
といってびっくりされたとのこと。
70代といえば、脳が委縮して小さくなっていくのですが、その方の場合ははっきりと画像上で頭蓋骨が大きくなっていることが確認できたのです。
現代医学では解明できないことが、身体には生じるのです。
身体の変化の可能性を日々垣間見えることが、この仕事をしていてとても楽しい瞬間です。