今日、数年前より膝が痛くて整形外科や整骨院に通院しているという方がお見えになりました。
水を抜いたり、電気をかけたりして、前よりは痛みが楽になった、とのことでした。
しかし、娘さんが心配して、クラニオ整体にお越しになりました。
全身を拝見しましたら、下半身の緊張がとても強く、膝下は血行不良のため、色がかなり悪くてなっていました。夏でも靴下がないと過ごせないほど、足先が冷えるとおっしゃいます。
そのほかにも少食なのになぜかやせない、腰が重いとのことでした。
筋肉チェックをしてみると、股関節周辺の筋肉の多くが弱っていることが確認できました。
施術後は全身が温まり、コタツに入っているかのように足がぽかぽかする、とおっしゃいました。
また、全身の血行がよくなり、脳への血流が増加したため、「目の前が明るくなった」と、とても驚いていらっしゃいました。
長年、施術をしてきて感じるのは、
局所的な痛みだけを取り除くことばかりに目がいくと、
根本的な問題に気付かない恐れがある、ということです。
もちろん、局所の組織をしっかりと検査して、診ておくことは必要不可欠です。
しかし、同時になぜその痛みが生じたのか、全身の状態や、その方の生活習慣からくる負担の掛かり方を診る必要があると思っています。
この患者さんも、 膝の痛みが以前より楽になったから「治った」という意識しかなければ、体に生じている根本的な問題に気付かないまま、ほかの症状がもっと生じていっただろうと思います。
膝の痛みは全身の筋肉のアンバランスとゆがみによって、膝関節に慢性的に負荷が掛かった結果生じます。筋肉が緊張すると血管を圧迫して、血行不良が生じます。
全身の状態から症状を見ると、膝の痛みは全体の中の一つの問題にすぎないことが分かります。
本来はもっと身体が軽くて、楽でいいはずなのに、
「自分の身体はずっとこんなものだった」
「もう年だから仕方がない」
と身体のつらい状態に無自覚だったり、諦めてしまっているのは、本当にもったいないと思います。
身体の状態によって、人生の質が全くちがったものになるのです。
できるだけ多くの方に、身体の楽な状態を知っていただき、日々の生活を快適に過ごしていただけたら、
という思いを込めて、これからも施術していきたいと思っています。