心と身体を整え、健康を保つ上で、基本となる5つの要素があります。
ストレスや生活が乱れると、自律神経の働きが乱れ、心身に歪みが生じて痛みや不調を引き起こします。そして、さらに負担が掛り続けると、病気へと移行していきます。
まず、健康を保つために欠かせない、5つの基本原則を順に見ていきましょう。
1.息
「息」は生きることの根源です。私たちの心身の状態は、まず呼吸に表れてきます。
心身共に快適で、リラックスした状態のときには、呼吸はゆっくりと、深くなります。逆に緊張や、不安、焦り、混乱などの精神状態のときや、身体に過度の負担が掛っている時には、呼吸は速くなり、浅くなったり、ひどい時には息をつまらせる、息が一瞬とまる、などの状態になります。
また、休息を適度にとれているか、ということも重要です。息つく暇もない、ほっとできる時間や空間が確保できない、という状況が続くと、心身共に緊張状態が続き、疲弊し、不調を起こしていきます。
さらに、睡眠による休息は生命を支える根幹です。
ぐっすり眠れない状態が続くと、脳と身体が休息できず、疲労を回復させることができません。
2.食事
質のよい、バランスのとれた食事は生命活動にとって必要不可欠です。また、食事をとるときの雰囲気、時間、環境も消化吸収に影響します。
何をどれだけ食べるか、ということも、情報に振り回されるのではなく、自分の身体にとって心地良いものを、身体に聴いて取ることが大切です。
また、水の摂取もできれば、一日のうちにこまめに適量取りたいものです。水分不足や、逆に水分の取りすぎは、神経伝達や筋肉の活動に影響します。
3.動
適度な運動を日々の中でとるだけでなく、日常生活での動作も大切です。なかなか忙しい日常生活の中、運動をするための時間を確保するのは難しいかもしれませんが、ちょっとした心がけで動くことはできるものです。例えば、エレベーターを使わず、階段を上る、椅子に座っているときに軽く身体を伸ばしたり、動かしたりする。
現代生活では、動かない時間が長くなっています。じっと同じ姿勢を取り続けてしまったら、そのあと少しでも動くようにするだけでも随分と違ってくるはずです。
また、身体に負担の掛る姿勢や、動作を見直すことも大切です。
さらに環境の動線も無理なく動けるように整えることも、心身を楽にします。
4.想念
安心、満足、達成感、自己肯定感、好奇心などの快の感情は私たちの生命力を高めてくれます。
逆に不安、恐怖、不信、無力感、自己否定などの不快な感情は生命力を奪い、生きる気力を失わせます。
しかし、快の感情も、不快な感情も、共に私たちが生きる上でどちらも大切な感情です。
問題となるのは、喜び、悲しみ、怒り、恐怖、楽しみの感情の一つだけが過剰に生じ続けて、他の感情に移行しないままでいる、ということです。
感情を生じさせるのは、 今までの人生で作り上げてきた信念体系=考え方、価値観)と身体の状態です。
信念体系とは、「自己概念」=私は~である、「世界観」=世の中、人は~である、「理想」=私、人、世の中、物事は~であるべきだ、のことです。
同じ状況でも、その人の信念体系と、身体状態によって、「快」と捉えられるか、「不快」と感じるかが決まります。
人生には波があります。順風満帆にことが運ぶ時もあれば、停滞する時もあります。それもずっと続くことはなく、人生は流れていきます。
しかし、大きな波に飲まれてなかなか立ち直れない時や、環境や状況が変わっても、同じようなストレスが繰り返し出現する「パターン」がある時には、身体の状態=長年貯め込んだ緊張や癖、歪みを解放したり、今までの信念体系を書き換えていく必要がある、ということを教えてくれています。
5.環
物理的環境、人間関係など、私たちの生きる基盤となる環境は、心身に大きく影響してきます。
自分で変えられることもありますが、変えられないことも多々ある中で、どうしたら少しでも快適な状態にしていけるか、ということを考えて、実践したいものです。
また、「循環」も大切なキーワードです。体内では血液の循環、気の循環、外的にはお金、モノ、人の循環、人生の流れなど、どれも滞りなく流れることが心身に影響します。